不動産登記の登録免許税
本日は不動産登記に関する内容です。
不動産登記を申請する場合には、一部の例外を除き、「登録免許税」という税金を納付する必要があります。
この「登録免許税」とはどうやって計算するのか、簡単に解説します。
登録免許税は自己の権利を守るための税金
「登録免許税」は登記を受ける利益に対して課された税金です。
登記を受ける利益とは、例えば売買や贈与で不動産の権利を取得し、きちんとその旨の登記をしていれば当事者以外の第三者に対して、法律上その権利を主張することができるということが挙げられます。(民法第177条)
逆に言えば、登記をしていなければ不動産の権利を主張することができず、取得した自己の権利を第三者に侵害されてしまうこともありえます。
自己の権利を守るために「登録免許税」を支払ってきちんと不動産登記を行う必要があります。
登録免許税は原則申請者が連帯して支払うが、特約で変更可能
不動産登記は、その内容によって登記申請者が異なります。
例えば、新築建物の所有権を保全するための所有権保存登記はその所有者が申請します。(単独申請)
土地や建物の売買や贈与の場合は、売主と買主、贈与者と受贈者といった登記義務者(不動産の権利を渡す者)と登記権利者(権利をもらう者)が共同で申請します。(共同申請)
単独申請の場合はその申請者が当然登録免許税を負担しますが、共同申請の場合は登記権利者と登記義務者が連帯して納付する義務があります。(登録免許税法第3条)
ただし、これは登記権利者と登記義務者の特約で自由に納付義務者を変更することができます。
一般的に売買や贈与などでは、登記権利者が登録免許税を負担することが多いかと思います。
主な登録免許税の計算例
1.不動産の個数1物件につき、1,000円
不動産の登記名義人の住所や氏名の変更があった場合の登記名義人表示変更登記の登録免許税は、不動産の個数1物件につき1,000円の登録免許税を納付する必要があります。
また、所有する不動産に設定された抵当権などの担保権を抹消する場合も不動産の個数1物件につき1,000円の登録免許税を納付する必要があります。
例えば、土地が3筆、建物2棟の登記名義人の住所変更登記や抵当権抹消登記の登録免許税は、3+2=5物件にそれぞれ1,000円で、5,000円が登録免許税となります。
2.担保権の債権額(極度額)に一定税率をかけたもの
金融機関から融資を受け、所有する不動産に抵当権や根抵当権などの担保権を設定する場合は、その抵当権の債権額(根抵当権の場合は極度額)に一定税率をかけたものが登録免許税の金額となります。
抵当権や根抵当権設定登記の場合の税率は1,000分の4になります。
例えば、債権額1,000万円の抵当権設定登記の登録免許税は1,000万円の1,000分の4になるので、4万円ということになります。
3.不動産の価額に一定税率をかけたもの
不動産を売買する場合や贈与する場合などは不動産の価額に一定税率をかけたものが登録免許税の金額となります。
この場合の「不動産の価額」は基本的に「登記申請する時の市町村役場で管理している固定資産課税台帳に登録された価格」となります。
これは、不動産の所有者に対して毎年送付される「固定資産税・都市計画税納税通知書」の「価格(評価額)」として記載されている金額になります。
「固定資産税・都市計画税納税通知書」には「価格(評価額)」以外にも固定資産税課税標準金額、都市計画税課税標準金額等のさまざまな金額が記載されているので注意が必要です。
例えば、売買における税率は1,000分の20なので、評価額2,000万円の建物の売買における登録免許税は、2,000万円 × 20/1,000=40万円となります。
不動産登記のご依頼は北花田司法書士事務所へ
不動産登記は、上記「主な登録免許税の計算例」に挙げた形式にあてはまらないものも数多く存在します。
正確な金額の確認は必ず法務局や司法書士にお尋ね下さい。
当事務所の費用一覧にも登録免許税について記載しておりますのでご確認下さい。⇒費用一覧
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